小瀧なつき
帰宅の電車の中、顔を上げると目線の先には「ジム」「ダイエット」などの貼り広告が「この腹筋を見よ」と訴えかけてきます。
疲れた我が身を振り返り、「運動…でも明日からね」どんな運動が健康なカラダを導いてくれるのかを知って、明日こそ実行に移してみませんか。
今回紹介する研究は2017年に発表された、日本人の50–79歳の男女約7500人を12年間観察し、日々の運動量と脳卒中の罹患リスクの相関性について調べたものです。
その結果、中程度の運動を行う人は、普段全く運動しない人に比べて脳卒中になるリスクが低く、さらにその一種である、くも膜下出血の罹患リスクについては22%も低いことが分かりました。
全く運動をしない人はリスクが高く、運動を行うほどリスクは下がり効果を発揮します。
しかし残念なことに運動もある程度を超えるとリスクは再び上昇していきます。とてもハードな運動を毎日行う人は全くしない人とリスクが同じ程に上がっていました。
ハードすぎる運動にも注意が必要です。
さて中程度の運動、ハードな運動ってどんな程度?そこに良い運動の強度を表す指標、METs(メッツ)をご存知ですか。
メッツ=「運動の強度」。
安静時を1とした時にそれと比べ何倍、代謝(カロリー消費)するかを表します。
身近な運動とメッツを一覧にしてみました。脳卒中を防ぐのには中程度の運動が最適です。
つまり1日合計、5-10メッツの運動を(一回の運動3メッツ)目指してみましょう。
1→安静時・ソファーでごろり
2.5→ストレッチ
3→ ウオーキング・家事・階段の上り下り・ヨガ・ピラティス
4→ 速歩・乗馬・社交ダンス・卓球
5→ 水泳(ゆっくり)・ゴルフ・トランポリン・ソフトボール・缶蹴り
6→ 水泳・重いウェイトトレーニング・バスケ
6.5→ エアロビックス
7→ ジョギング・テニス ・山登り
8→ 勾配のきつい山登り
10→ 空手・キックボクシング
11→水泳(速いクロール バタフライ)
日頃運動習慣のない方にとって運動はキツいものでよね。しかーし。ずっと安静を長時間行っても、1x1x1x1=1…一生1メッツ。
まずはいつもの活動をパワーアップ「長時間、素早く、強め」意識してみませんか。
・ウオーキングを長めに速歩、コースを一つ変更
・青信号までは走る
・プレゼンの予行演習は歩き回りながら身振り手振りで声を張って熱血に
・お腹に力を入れて怒涛のキャベツの千切り、大根すりおろし、火炎のフライパン返し
また運動習慣の高い6メッツ以上の方はこまめな休憩を心がけて。
週末ゴルフは休み休み。お世辞も休み休みにしてみましょう。
レッツ、1日コツコツ5−10メッツ!健康な血管習慣を目指しましょう。目に見えないカラダへの運動効果も明確な数値で示されると頑張れそうですよね。昨今では、美味しさや感覚も数値化できるらしい…でもどんなに進歩が来ようともキミのロックな魂と優しいハートだけはいかなる数値にもあてはめられまい。
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