

受検者様用の説明ページです
遺伝子検査についての概要説明、FAQなどを掲載しています。受診できる医療機関をお探しの場合はこちらからどうぞ。
①遺伝子検査について
遺伝子検査ってどこを測定?
■ 個人ごとに異なる塩基(A、T、G、C)の違いを測定しています。
■ ヒトのDNAがコピーされるとき、だいたい15箇所くらいのコピーミスが生じます。
■ ある程度はブロックになって受け継がれていきます(ハプロタイプブロック)。
■ 家系、集団といった人類の歴史として刻まれていくことになります。

生殖細胞系列と体細胞の違い
■ 生殖細胞:精子と卵子で、遺伝情報が次世代に伝播される
■ 生殖細胞系列:生殖細胞のもとになる細胞も含める→罹患リスク予測の検査
■ 体細胞:肝臓、心臓、肺などの体を構成している細胞→がん細胞の遺伝子検査

レアバリアント・コモンバリアント
■ バリアント(変異)の出現頻度により異なるエビデンスが示されます。レアバリアント(出現頻度1%未満)は家族性高コレステロール血症、遺伝性乳がん卵巣がんなどの単一遺伝子疾患のリスクが、コモンバリアント(出現頻度1%以上)は多因子遺伝疾患等の統計的なリスクが示されます。

②遺伝子検査 ✖️ 生活習慣
罹患の要因は遺伝だけではありません
■ 多因子疾患は遺伝要因と環境要因の双方によって引き起こされます。それぞれの寄与度は疾患によって異なります。
■ 双子研究(一卵性と二卵性の比較)によって、遺伝率を計算することが可能です。
■ 2型糖尿病のように遺伝率が比較的低い疾患と、心房細動のように遺伝率が比較的高い疾患があります。

遺伝的リスクが高くてもリスク削減可能です
■ 遺伝的リスクが高くても、良好な生活習慣を取り入れている群は、そうでない群と比べて冠動脈疾患の罹患リスクが約46%低いことが示されています。
■ アルツハイマー病、その他多くの疾患についても生活習慣の改善により、高リスク群の罹患リスクが低下したことが示されました。
出所:N Engl J Med. 2016 December 15; 375(24): 2349–2358.
JAMA Neurol. 2018 Apr 1;75(4):462-470.

罹患リスクを生活習慣でヘッジ Ⅰ
■ 冠動脈疾患では、遺伝要因が高くても、生活習慣が良ければ、罹患リスクが低いことがわかりました。
参照:PMID: 27959714 N Engl J Med. 2016 December 15; 375(24): 2349–2358.
Genetic Risk, Adherence to a Healthy Lifestyle, and Coronary Disease.

罹患リスクを生活習慣でヘッジ Ⅱ
■ アルツハイマー病にておいても、遺伝要因が高くても、生活習慣が良ければ、罹患リスクが低いことがわかりました。
参照:PMID: 31302669 JAMA. 2019 Jul 14. doi: 10.1001/jama.2019.9879.
その他、がんなど多くの疾患でも同様に、遺伝リスクと環境リスクが独立して罹患リスクに寄与していることが示されています。

③グリーンコードについて
東京大学などの研究で利用されました
■ 東京大学医科学研究所の山下直秀教授(当時)が、病気を予防するために本人を動機づけられないか、遺伝学的検査によるリスクを伝えることの有用性の研究に着手。
20名のパイロットスタディ*で検査前後で「10年後にかかるかもしれないあなたの病気は、あなた自身でどれくらいコントロール(制御)できると思いますか」の回答で有意差を確認。P<0.01
その後もn=401の解析で同様の傾向が見られました。(p=0.052、下図参照)
*BMC Res Notes. 2018 Apr 3;11(1):223.


2ヶ月間の生活習慣改善介入の効果
■ 19名のパイロットスタディで介入前後で健康診断を行い、5つの生活習慣病の罹患リスクを調べました。
■ ゲノムコンシェルジュが遺伝子検査の結果を説明し、生活習慣について一つだけ改善することを目標に介入しました。
■ その結果、生活習慣病の罹患リスクが2.5%削減され、おおよそひとりあたり100万円の医療費削減につながることがわかりました。

日本人のための遺伝学的検査
■ 日本人(および東アジアの人々)向けの解析を行っています。
■ 疾患の発症リスク、薬剤応答性に関わる個人差を明らかにする大規模試験は、世界中で行われています。
■ 遺伝子と疾患との関連を調査した研究では、日本人と白人(厳密にはコーカサス人:ヨーロッパ人などを含みます)で異なる結果がでることがよくあります。そのため、白人の研究をもとに私たち日本人に当てはめて疾患リスクを判定することは不適切と考えられます。
■ 具体的には、人種差によってリスク判定結果が80%異なることが確認できています。※
■ グリーンコードではすべての項目において、日本人(東アジアの人々)を対象とした研究によって得られた結果に基づいて解析しています。
※ 2016年7月、NPO法人こどもたちのこどもたちのこどもたちによって白人用解析プログラムと日本人用解析プログラムでの比較試験を実施。67項目中、53項目(約80%)で、検査結果が大幅に異なることが判明しました。



エビデンスを重視しています
■ 多くの論文を評価し、医学、科学を重視しています。
■ 疾患の遺伝学的解説についての論文は、7,000報以上のなかから、230以上の論文を選び出しています。
■ 生活習慣と疾患の罹患リスクに関する論文は4,900報以上のなかから700以上の論文を選び出しています。

有意差のあるバリアントを採用
■ 疾患について採用する研究は、ゲノム全体を俯瞰し、有意差のあるバリアントを抽出します。このような研究をゲノムワイド関連解析研究(GWAS)と呼びます。
■ そのなかから、採択基準に合致したものを採用します。
■ インフレーションがおこならないよう、近傍のバリアントは選択しないようにしています。
コモンバリアントを測定
■ 出現頻度が1%以上となるコモンバリアントを中心に測定しています。
■ これらはGWASで判明した一般的な疾患と関連のあるバリアントです。




