小瀧なつき
春が来ると怖いもの。年度末の試験や決算。今は「花粉症」と答える人も多いことでしょう。日本人のおおそよ4割が花粉症なんだとか。花粉症はアレルギー症状の代表的な1つですが、最近増えているもう1つのアレルギー疾患がアトピー性皮膚炎です。
ここ30年で患者数は2倍に増加。困ったことに小児だけでなく、一度小児で治った成人が再び発症したり、成人で初めてかかる人も増加しているのだそうです。
アトピー性皮膚炎を含むアレルギーとは自分を外敵から守るために免疫が反応しなくていいものにまで過剰に防衛、攻撃をしてしまう症状です。
カラダをも守ろうとしているのに痛めてしまう、そんな要因を作っているものは何か。
今回は1989年から2015年の間、世界39カ国、86の研究を集積し、分析した大規模な研究の報告をご紹介します。
その結果、大きな悪影響とは喫煙。タバコでした。
現在喫煙している人は、喫煙していない人に比べアトピー性皮膚炎になるリスクが1.87倍高いことがわかりました。
そして、喫煙しない人でも気をつけたいのが喫煙者からの煙を吸ってしまう「受動喫煙」「副流煙」です。
ここ20年で日本の公共の禁煙は進んでいますが、それでも喫煙率は20%。男性は27.8%(18‘JT全国喫煙者調査)。
受動喫煙をしている人はしていない人に比べてリスクが平均1.2倍高いのですが、受動喫煙者を成人に絞るとリスクは3.6倍も高かったのです。
これはそれまでの人生で吸ってきた累積の受動喫煙量も関係しているのかもしれません。
だから成人も小児ともに生涯の受動喫煙量を抑えることが大切。いかに「タバコを吸わないか。まわりに煙を吸わせないか」が重要課題と言えますね。
皮膚は空気が通る最初のフィルターです。エアコンや空気清浄機のフィルターのホコリを見れば歴然。空気が淀んでいれば、それだけフィルターへの負担も大きいのです。まず1人が禁煙を始めましょう。すると周りの2人、いや3人も健康になれます。煙い空気は抑えて、今世界に拡散するべきは、映える写真と健康のテイクアクションかもしれません。
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