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先手必勝

小瀧なつき


攻撃は最大の防御なり。全員で攻めるサッカーのアディショナルタイムもあれば、持ち点を断固として守る試合もありますね。あなたなら将来の病気に対してどちらの戦法を取りますか?認知症は、65歳以上の7人に1人、2025年にはそれが5人に1人になると予測されている病気です(厚生労働省2017年調べ)。



今回紹介する研究は、2014年までの世界中、230万人分のデータから認知症の罹患リスクとある生活習慣病の相関性について分析したものです。


認知症と深い関係にあった生活習慣病とは、2型糖尿病です。


糖尿病の人はそうでない人に比べて、認知症になるリスクは全体で1.6倍高いことが判明しました。

認知症の種類では、アルツハイマー型などの非血管性認知症になるリスクは1.5倍高く、

血管性認知症の場合は男性で1.7倍、女性では2.3倍も高くなることが分かりました。

女性における影響は大きく、病状が進行していれば尚、19%もリスクが高まります。


血管性認知症とは、動脈硬化から脳梗塞、脳卒中などの脳血管疾患により脳へ酸素が行き渡らずに不足し、脳の神経細胞が壊れてしまうために起きる認知症です。

一方、認知症の7割近いアルツハイマー型認知症(非血管性認知症)は、脳に不要なタンパク質が溜まってしまうために起こります。認知症はいずれも何らかの影響で脳の細胞が壊れることで通常の働きができなくなる症状と言えます。


糖尿病になると血糖値が上がり、血管は酸化し、炎症も起きます。血管が元気でないと当然、脳への血の流れも悪く、送られてきた血中の成分もあまり良いものではありません。これでは元気な脳とは程遠いですね。


一個の病気は次の病気を呼びます。特に糖尿病などの生活習慣病はそれ自体よりも、次の大きな病気のサインとなるものなので、改善できるうちに食生活や運動の見直しを今一度してみましょう。



備えあれば憂なし。王手!と言われたその前の飛車の動きを間違えたのではありません。そのずっと前から歩兵をコツコツ進ませておくべきだったのかもしれませんよ。毎日自分のカラダと共に未来を向いて歩いて行きましょう。


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