内山明好
「医者に殺されない47の心得」とか、「長生きしたけりゃ、医者の言いなりになるな」などが少し前によく売れていました。これはいったい何を意味しているのでしょうか。医師は信頼できなくなってきているのでしょうか。。。。
かつては医師と患者さんは圧倒的な情報量の差がありましたので、患者さんは医師の説明を信じざるを得なかったのですが、いまやテレビの健康番組やインターネットの情報で、知識という観点では欲しい情報がほとんど手に入る状況となりました。私の外来でも病状の説明をすると「こんなことがインターネットに書いてあったので、私の病気はこれではないか」、と主張する患者さんはかなり増えています。
このような状況で患者さんが必要としているのは、「自分に当てはまる情報はほんとうにどれなのか」を知りたいと言うことではないかと思います。
色々と症状のある方が来院されたときは、あの病気は大丈夫か、この病気ではないのかという話も聞きたいところですが、いつも患者さんをお待たせしているため、短い外来時間の中では満足なお話しが聞けませんし、医師からの情報提供も不十分となってしまいがちです。その結果として、ほんとうに自分の病気のことがわかっているのかしら?と不信感をつのらせてしまうことになるので、冒頭の医師不信につながってしまったような気がします。
まったく話は違いますが、近年、医療において遺伝子検査がとても重要になりつつあります。
例えば、がんの遺伝子を分析して、がんのタイプを見分け、これによって患っているがんに最適なお薬を選んで投与することができるようになってきました。またお薬の代謝に係わる遺伝子を測定して、患者さんの体質に合う薬がどのようなものかを判定するサービスも出始めています。このように遺伝子検査は医療のなかで一般的な手段として取り入れられ、技術的にも大きく発展しています。
このような状況のなかで自分のなりやすい病気がわかるとしたらどうでしょうか。遺伝子検査はインターネットでも注文できるようになりました。でもそれで十分でしょうか。医師ではないみなさまが、そのような情報を処理するだけの経験を積まれているのでしょうか。
日本人のための遺伝子検査「グリーンコード」は、わたしも研究段階から関わってきたものです。この遺伝子検査は多くの病気に対して、「その病気になる可能性」を示してくれる遺伝子検査です。
検査を私自身が受け、その結果をみてみると、自分はこんな病気なりやすかったのかと改めて驚いた病気もあります。たとえば祖父が脳出血、父や叔父が心筋梗塞で亡くなっているので、血圧や動脈硬化のリスクが高いと思い食生活などそれなりの対策はしていたのに、検査結果ではそちらのリスクは低く、胃がんや潰瘍性大腸炎といった消化器系の病気のリスクが高いことがわかり、対策の立て直しが必要となりました。
胃がんや潰瘍性大腸炎は内視鏡検査で早期発見ができるので、他の血液検査などの頻度を上げるとか生活習慣を変えることで予防対策を立てることができます。このように遺伝子検査を受けることでテレビやインターネットからのあふれる情報から、自分自身の健康に係わるリスクや対策を絞り込むことが可能になります。
遺伝子検査はインターネットでも受けられるものが出回っています。しかしこれらは値段は安いのですが、結果はオンラインで見てくださいということで、自分はどの程度気をつければよいのか、何をすればよいのかは文章を読むだけですので実感がわきませんし、検査精度の面でも不安があります。
その点グリーンコードは医師が使えるレベルの高い精度ですし、医師がおすすめする予防のためのメニューについても専門家による監修がされていて、とても信頼できるデータになっています。さらにこのように信頼性の高いデータにもとづいて医師が直接結果説明をしてくれるので自分に合った予防対策をいっしょに考えてもらえるというのは受検者にとってたいへん大きなメリットです。
健康対策に時間的な余裕のある30歳代、40歳代はもちろん、還暦を過ぎてリタイアを考えておられる方にとっても、リタイア後の人生を健康に生活していくために重要な情報提供してくれることになるでしょう。
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