小瀧なつき
大人な皆さん、歯磨きはどのくらいの頻度で行っていますか?
朝晩は家で歯磨きを少なからず行えている人も多いはず。でも昼間、出先での歯磨きはなかなか時間を取りにくいですよね。しかしそれが、お口の健康だけでなく全身の健康に影響すると聞けば、めんどうくさいで済ませられないかもしれませんね。
今回紹介するのは、日本人男女1300人以上を5年間の追跡し、歯磨きの習慣と生活習慣病の相関性についての研究です。
男性の場合、歯磨きを毎食後は行う人は、行わない人よりも、2型糖尿病になるリスクが43%低いことが分かりました。調査対象だった中高年女性の糖尿病は元から男性より低いこともあり、歯磨きと糖尿病の相関性は見られませんでした。
細菌が含まれる磨き残しの歯垢 (プラーク)が血液の流れを悪くします。また歯周病菌の死骸がもつ毒が残って、血糖値を上げます。歯周病により、歯ぐきの中で作り出される炎症性の物質は、血液を通って血糖をコントロールするホルモン (インスリン)の働きを妨げ、糖尿病を悪化させます。
他方で血糖値、糖尿病の改善を行うと、歯周病も改善するという双方に影響があることが分かっています。
ですから、血糖値の高い人は、食後に口の中の細菌を増やさないように小まめな歯磨きを。
歯周病の人は歯磨きと共に、血糖値を下げる食生活の実践をおすすめいたします。
お口が爽やかな人って健康そうですよね。反対にお口の匂いがいつもと違ったと気づいたら、それはカラダが異変のサインを届けてくれているのかもしれません。たかがカラダの一部で終わらず、歯医者さんも大事な医療機関です。日々の歯磨きと定期的な歯科検診で、健康ご長寿のように入れ歯無しでリンゴを元気にかじってみたいものですね。
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