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もしもし、通じてますか

小瀧なつき


はてさて、一日に食事は何回なさいますか?たいていの方は時間がずれてしまっても、おおよそ朝昼晩の食事をしていることでしょう。では、それに対してどのくらいのペースでお通じはやってきますか。お食事中の方失礼したします。準備ができたら、さあはじめしょう。



今回紹介する研究は、日本で行われた40-79歳の男女約6万3000人を8年近く観察し、その生活習慣と大腸ガンの罹患リスクの相関性について調べたものです。

大腸ガンは食や生活習慣の変化により近年増加傾向にあるガンで、40代から増加し始め、男性では3番目、女性では2番目に罹りやすいガンです(国立がん研究センター2017年調べ)。リスク軽減の手だてを知りたいですね。


大腸ガンに密接に関わる生活習慣は、冒頭で申し上げたお通じのペースです。

調査の結果、

女性の場合はお通じが6日に1回、またはそれ以上長くない人は、毎日お通じのある人より、大腸ガンになるリスクが2.5倍も高いことが分かりました。


そして、意外な結果ですが、お通じが2-3日に1回ある人は、毎日ある人よりも29%、約3割も、その罹患リスクが低いことも分かりました。この結果についてはまだまだ調査が必要とされています。


男性でも同じような傾向にあり、便秘がちな人ほど、大腸ガンになりやすいという報告結果でした。


しかし、便秘がなぜ、大腸ガンに悪影響なのか、気になるところ。

お通じが来ないと、カラダも何かと重たい。お腹は空くけど、美味しく食べられない。気分が晴れないのに、お腹だけ張る。ただでさえ、不快な症状ですが。


具体的には、便が長く腸内にいると、便中の発がん物質が、腸内や腸の壁と長時間接触することになります。また、腸内の水分は吸収されてしまうので、発がん物質は濃縮されます。発ガン物質と長時間濃密に関わっていてはガンのリスクはもちろん高くなることでしょう。いと怖し。


お通じの頻度のいい人に共通していたのは、適度な運動(30分ウオーク)、食物繊維、緑色の葉ものを摂取していたことでした。更に腸内環境に良い発酵食品の摂取、お腹を大腸の形に沿って時計回りにさすってみるのも、腸の動きをよくしてくれるんだとか。便秘がちな人は、このような習慣を取り入れてみてはいかがでしょう。

この研究によると、便秘薬の利用による罹患リスクへの影響はなく、ある程度、便秘が続く場合はその利用も一つの有効な手段になりそうです。



消化器官は一本の管。角笛、ホルンやチューバのように入り組んだ楽器も何かが詰まっていたら良い音色は出せません。カラダはちゃんと端から端まで通じていますか?入るものへの意識も大事ですが、まさにお通じのことも気にしてみましょう。カラダの風通しよくして健康を全身にこだまさせてみましょう。


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