小瀧なつき
突然ですが、さっき、あなたが食べたその食べ物、一体どんな長旅をしているのでしょう。
口から喉を通ってお腹、ここまでは「食べてる感」ありますね。
そして我々が食べたことを忘れた頃には、小腸の6mを抜けて、大腸の2mへと続きます。例えるなら、まず2Fまで階段で上がり、そしてまた1Fまで下り、そうしたらアオダイショウ蛇がいて、その横を恐る恐る、通っていくぐらいの長さと言ったところでしょうか。
それも48時間もかけてゆっくりと。
合い間に何かあったのかしら。
体はこの「合い間」に食べ物を体内に取り込むめため、たくさん働いてくれています。あなたが初めて食べたその日からほとんど絶え間なくです。
今回紹介するのは、その長い大腸のガンについての研究です。大腸ガンの要因は、遺伝による場合は少なく、飲酒、運動など生活習慣や食生活にあるとされます。
それについて45歳以上の中年、約4万人の食生活を7年に渡り観察したフランスの研究です。
その結果、大腸ガンの罹患リスクは、ビタミンCを多くとっていた人はそうでなかった人に対しリスクが約47%低かったのです。
これはビタミンCをサプリメントから摂った人も含まれます。
ビタミンEについては約44%、またセレンという成分についても27%低かったのです。
欧米食が普及している今は、牛や豚などの四つ肢動物やその加工肉を多く摂っていることでしょう。おのずと高脂肪、低繊維になっています。
大腸ガンリスクを下げるために必要なビタミンCは野菜や果物に、ビタミンEはナッツ類、セレンは魚に多く含まれます。
ビタミンC:ピーマン、ブロッコリー、いも類
ビタミンE:アーモンド、煎茶
セレン:マグロ、カツオ、ぶり
この食物の例、なんか昔からの日本食に見えませんか。
肉を食らって力つけなきゃいけない「ここぞ」という日もあるけれど、人生は長い、腸も長い、長く走り続けるには、太平洋を一直線で泳ぎ続けるマグロとメンテナス役の野菜やフルーツを推薦いたします。アーモンドはちょっと新人ルーキーかもしれませんが、サラダにかければ、食感もサクサクで、きっと気にいるはず。
腸は今も動いている。そのことをお忘れなきよう。
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