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有難き、キノコの奉仕かな

小瀧なつき


子どもの頃、飲み込むのが怖いものが2つありました。ガムとキノコです。ガムは胃に貼り付いてゴミが溜まっていきそうだし、キノコは胞子を飛ばしてカラダ中に繁殖する悪夢を見たものです。しかし私はいま、すこぶる生きている。ガムはさておき、キノコはどんな恵みを飛ばしてくれていたのでしょう。


今回紹介する研究は、日本人おおよそ1万3000人、65歳以上の男女を5.7年間観察し、その認知症にかかるリスクを食生活から調べたものです。


現在7人に1人が認知症になると言われています。それが2025年には5人に1人、将来的には3人に1人とされている誰もが気をつけたい病気のひとつです。これを防ぐのがキノコでした。


キノコを週に3回以上食べる人は、週に1回しか食べない人に比べて認知症の発症数は低く、19%、およそ2割リスクを軽減できていました。

キノコは所詮、木に生えた菌。でも、その菌が持っている力がすごいんです。なぜなら…


・必須アミノ酸が豊富

中でもβグルカンというアミノ酸は免疫力を上げてくれ、「抗腫瘍作用」があるとされる成分です。認知症の一因とされるタンパク質=腫瘍ができるのを防いでくれます。


・ミネラル、ビタミンが豊富

カリウムは高血圧、心不全の予防。脳の血流をスムーズにして、血の塊や腫瘍も出来にくくなります。

葉酸は細胞分裂や成長を助けに。脳細胞の生まれ変わりを促進します。


・食物繊維が豊富

体内の有害な物質を排出。溜まった毒素、腫瘍も外へ追い出します。

それでいて

・カロリーはほぼゼロ

キノコは栄養の「恵み」というより、「巡り」をよくする力に優れているようですね。



キノコは「木の子」。えのきは榎、ブナしめじはブナ。しいたけはシイ、くり、スギなど皆森からやって来ました。森は自然災害もその治癒力で46億歳の地球を豊かな星として守ってきました。ちょっとそのパワーを人間にも分けてもらいましょう。森の中にぬくぬく生えるマツタケの姿を想像できたあなた、いま脳も活性中ですね。